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~摺動表面のナノ・マイクロ機能設計で性能向上~

切削工具表面の摩擦・摩耗制御

研究分野分類:5503 設計工学・機械機能要素・トライボロジー
産業分類:金属製品製造業,輸送用機械器具製造業
キーワード:トライボロジー,ナノマイクロ加工,機械要素,切削加工,潤滑制御
工学
機械工学
糸魚川文広(機能工学専攻)
研究概要
 工具など高負荷摺動面に微細形状や表面テクスチャーを付与し摩擦・摩耗を低減する技術を開発しています。同時に要求微細形状、微細構造を有する表面を短パルスレーザーを用いて効率良く創製する加工技術を開発しています。また、摺動負荷や摺動形態に合わせ最適潤滑を選定できるよう、潤滑摺動面の摩擦応答のシステム(構造、運転条件)依存性の定量化を研究しています。
特徴
 摺動は方向性があります。したがって、表面に形状分布・機能分布を持たせることで摩擦低減や潤滑性向上が期待できます。このような機能性表面を自在に設計できるようにする一般化された原理の導出と、併せてこれを短パルスレーザー等を用いた微細加工により実現させる技術を研究開発しています。
背景・従来技術
 摺動面の摩擦・摩耗は表面の形状や性状により大きく変化します。例えば硬質コーティングは表面だけの耐摩耗を制御する技術です。近年、微細加工技術の発展により表面にさらなる機能を付与する試みがなされています。
実用化イメージ
 市販工具への簡単な追加工により工具摩擦・摩耗・損傷を低減します。低出力の短パルスレーザーと簡単なステージの組合せで工具研磨装置を構成すれば、再研を外注することなく生産現場で行えます。

  

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 摩擦・摩耗・潤滑特性への影響因子は多岐にわたります。これらを詳細に調べ影響因子を同定し、特性を改善する手法を研究しています。実製品で生じる摩擦・摩耗現象の解明と特性改善に力を発揮できると考えています。

文献・特許
・Hiroki Kiyota, Fumihiro Itoigawa, Shota Endo and Takashi Nakamura, IJAT, Vol. 7, No.3(2013) pp.329-336.
・Daisuke Suzuki, Fumihiro Itoigawa, Keiichi Kawata and Takashi Nakamura, IJAT, Vol. 7, No.3(2013) pp.337-344
・清田大樹,糸魚川文広,中村隆: トライボロジー会議2013 春予稿集, C31

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・各種摩擦・摩耗試験機
・微細放電加工機
・短パルスレーザー加工機
・応力(ひずみ)可視化装置
共同研究を希望するテーマ
・潤滑面の設計に関する研究全般
・摺動面の可視化、In-situ観察
・切削工具の摩擦・損傷に関する研究全般
・レーザー微細加工
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:糸魚川文広
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