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~CFRPに高い精度できれいな穴あけ加工を行う~

遠心鋳造を応用したCFRP用傾斜機能砥石の開発

技術分野分類:5905 材料加工・組織制御工学
産業分類:生産用機械器具製造業,輸送用機械器具製造業
技術キーワード:精密・特殊加工プロセス,CFRP,穴あけ加工,傾斜機能材料,遠心鋳造
工学
材料工学
渡辺義見(機能工学専攻),佐藤尚(機能工学専攻)
技術概要
本技術は、遠心鋳造を応用した新規鋳造技術である遠心力混合粉末法および遠心焼結鋳造法にて、加工性能と耐久性に優れたCFRP穴あけ加工用の砥石を製造するための技術である。この砥石とジャイロ式穴あけ加工機を組合わせることによって、バリが無く、加工精度に優れたCFRPの穴あけ加工が可能となる。
特徴
本技術にて製造した砥石は、CuやAlなど金属母相中にダイヤモンド粒子が分散された構造を持つ。これらのダイヤモンド砥粒は、金属母相中に強固に固定されているため、電着法や焼結法にて作製されたメタルボンド砥石に比べて高い耐久性を有する。さらに、本技術で作製した砥石とジャイロ式穴あけ加工機を組合わせることで、加工精度が高くバリが少ないCFRP穴あけ加工を行うことができる。
背景・従来技術
従来のCFRP穴あけ加工はドリルなどを用いて行われていた。しかし、従来の技術には、バリの発生やドリルの寿命が短いなどの問題が存在していた。そこで、新しいCFRPの穴あけ加工法として、メタルボンド砥石を用いたジャイロ式穴あけ加工が提案されていたが、その砥石には高い強度が求められていた。
実用化イメージ
本技術の砥石は、難加工材の切断や研削砥石としても利用可能である。

遠心力混合粉末法にて作製したCu/ダイヤモンド傾斜機能砥石

ジャイロ式穴あけ加工機

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
岐阜県工業技術研究所および岐阜県セラミックス研究所と共同でCFRPの穴あけ加工技術の開発を行っております。CFRPのみでなく、他の難加工材における穴あけ加工などの共同研究を歓迎いたします。

文献・特許
・特許第5077933号 「微細粒子粉末が複合化された微細粒子複合材料の製造方法」
・特願2012-068658 「母相金属と固相微細粒子が複合化した複合材料の製造方法及び当該方法により製造されるメタルボンド砥石」
・特願2012-30802 「メタルボンド砥石およびその製造方法」
・渡辺義見,佐藤 尚,柘植英明: 砥粒加工学会誌, Vol. 57, (2013) pp. 207-210.
・Y. Watanabe et al.: Int. J. Mater. Product. Technol., Vol. 42, (2011) pp. 29-45.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・真空遠心鋳造装置
・大気遠心鋳造装置
・走査型電子顕微鏡
・光学顕微鏡
・引張圧縮試験機
・硬さ試験機
共同研究を希望するテーマ
・CFRP穴あけ加工に関する研究
・CFRP機械加工に関する研究
・各種の傾斜機能材料に関する研究
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:渡辺義見佐藤尚
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