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~生物に優しく自然災害に強い河へ~

河道多様性の創出に関する研究

研究分野分類:5704 水工学
産業分類:総合工事業
キーワード:水制,巨礫,わんど,河道,魚類の生息環境
工学
土木工学
冨永晃宏(社会工学専攻)
研究概要
 都市河川は直線的であり、流れが単調になる傾向にあります。そのため水生生物が生息しにくい環境となっています。そこで河道に水制や巨礫を設置したり、わんど等を設けたりすることにより、河道内に多様性を創出する方法を実験や数値シミュレーションにより検討しています。
特徴
 ”わんど”とは、連続に配置された水制間や流路の変動などにより生じる河道内の止水域のことで、開口部を有する形状のものを言います。この空間は魚類の生息環境に良好な影響があると考えられ、人工的にわんどを造設する取り組みが行われています。その一方で、平水時における水質の悪化や出水時における土砂の堆積による機能の喪失が問題となります。
背景・従来技術
 水制とは、河岸から河道中央部にむけて突き出した河川構造物で、従来より河岸を侵食から保護する目的で利用されてきました。一方で、治水・利水とともに自然環境の保全に関心が集まるにつれて、河川流に多様な流れを生み出す水制の役割が再び評価されています。
実用化イメージ
 水制を配置したことによる流れの変化が河道へ与える影響を、水制の形状や配置の変化と、それに伴う河床変動機構の観点より検討しています。また、わんどの形状と流れ構造に注目し、わんどの長期安定性について検討しています。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
産官学が連携して堀川の水質を改善しようと様々な活動を行っています。本研究室では流れ構造と水質の関係を把握する現地観測や現地での調査を基にした数値シミュレーションを通して、水質改善のための方策を検討しています。

文献・特許
・冨永晃宏・堀部扶実・榊卓也,わんどの開口部遮蔽による土砂堆積抑制効果,土木学会論文集B1(水工学),Vol. 67,No. 4,I_1057-I_1062,2011.
・冨永晃宏・市川亜也佳,巨石群を底面に配置した開水路流の抵抗特性評価,土木学会論文集B1(水工学),Vol.70, No.4, pp.I_661-I_666,2014.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
実験開水路(L=12m,B=0.6m)
各種流速計
PIV実験システム
共同研究を希望するテーマ
多自然川づくり
都市河川の水質改善
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:冨永晃宏