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~渦輪の持続的な運動を生かして流体を運ぶ~

渦輪列による流体や物質の輸送

研究分野分類:5504 流体工学
産業分類:電気機械器具製造業 ,輸送用機械器具製造業
キーワード:渦輪,流体輸送,噴流
工学
機械工学
内藤 隆(機能工学専攻)
研究概要
 渦輪のつくり出す流れ場は、それ自身とその近傍に誘起する速度場によって、それ自身を含むコンパクトな領域が驚くほど持続的に並進運動します。この性質を利用して、熱や物質を効率よく輸送することが期待できます。また、その経路に物質を取り残すことが少ない特徴もあります。
特徴
 渦輪列による流体輸送では、渦輪の太さや渦輪の形成時間間隔など噴出方法のバリエーションが多様であり、輸送の目的やニーズに合わた選択ができます。例えば、渦輪同士を干渉させることによって、目的の空間で積極的に渦輪を崩壊させ、輸送流体をその場に分布させることが可能でしょう。また、渦輪は周方向の回転を加えることによって安定し、その移動距離や分布が変えられます。
背景・従来技術
 特定の空間に物質や熱を流体の流れによって運ぶには、通常噴流が用いられることが多いでしょう。しかし、噴流は広く拡散し、その噴出状態を制御するための手段が限定されてしまいます。
実用化イメージ
 比較的運動量の小さい緩やかな流れしか許容されない場合には、特に有効な手段と期待されます。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 渦輪の形成・相互干渉・固体壁との干渉等に関する基礎的な知見を探求する上で、ものづくりに役立つものを中心にしていきたいと考えています。

文献・特許
・内藤隆, 他3名,日本機械学会論文集B編,No.10-0651 (2011)
・T. Naitoh et al., Journal of Fluid Science and Technology, Vol. 9, No.3 (2014)
・T. Naitoh et al., Phys. Fluids, Vol. 26, 067101 (2014)
・大藏信之, 他2名,ながれ,Vol. 31, pp. 187-194 (2012)
・J. J. Allen et al., Phys. Fluids, Vol. 17, 061701 (2005)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
PIV・LIF等可視化装置
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研究者名:内藤 隆