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~分子ダイオード開発で化学コンピュータを実現~

特異な分子構造を有する単一分子エレクトロニクス素子の創出

研究分野分類:5202 有機化学
産業分類: 電子部品・デバイス・電子回路製造業 , 化学工業
キーワード:分子素子,分子素子材料,有機半導体材料,半導体デバイス,構造有機化学
化学
基礎化学
迫 克也(社会工学専攻)
研究概要
 複数の電子供与体(ドナー)と電子受容体(アクセプター)の配置を空間的に固定した物質を開発し、単一分子で電子移動や方向性を制御できる分子ダイオードなどの有機分子デバイスの開発を目指しています。
特徴
 私たちは、強いπ電子供与能を持つDTF(図参照)を三次元的な配置に組み込んだ三元系分子の合成に成功しています。現在、ドナー とアクセプターをドナー且つσスペーサーとして機能する特異な分子で架橋した分子系を創製し、整流性を発現するこれまでに無い分子構造の特質を生かした単一分子エレクトロニクス素子の創出を目指しています。
背景・従来技術
 この数年、機能、エネルギー、環境の面から、電気的・光学的な刺激に基づいた分子レベルでの情報処理に有用な化学コンピュータの部品と成りうる化合物が盛んに研究されてきています。ドナーとアクセプターをσスペーサーで架橋したドナー・アクセプター系は理論的には整流性を発現すると言われていますが、まだ殆ど報告例はありません。
実用化イメージ
 本研究において目指す分子ダイオードなどのデバイスの実現は、他の分子エレクトロニクスと組み合わせた分子回路を可能とし、省エネルギーで超小型高性能な電子機器の実現につながります。

  

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 有機半導体を基盤とする分子エレクトロニクスへ展開できる有機分子の合成を行っています。「このような有機分子が合成できないか」や「こんな機能を付けたい」等の反応、機能に関することにお答えできると思います。

文献・特許
・K. Sako, Y. Mase, Y. Kato, T. Iwanaga, T. Shinmyozu, H. Takemura, M. Ito, K. Sasaki,
・H. Tatemitsu, Tetrahedron Letters, 47, 9151-9154 (2006).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
電気化学測定装置(同時に吸収スペクトル測定も可能)
紫外可視分光光度計
マイクロ波反応装置
発光スペクトル測定装置
赤外分光光度計
ゲル浸透クロマトグラフ装置
共同研究を希望するテーマ
有機分子デバイス
有機半導体
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:迫 克也