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~コペルニクス的転回でリチウム電池用固体電解質を開発~

Liフリー化合物を用いたLiイオン伝導体の創成

研究分野分類:5902 無機材料・物性
産業分類:窯業・土石製品製造業 ,電子部品・デバイス・電子回路製造業
キーワード:機能性セラミックス材料,エネルギー材料,イオン伝導体,燃料電池・電池材料
工学
材料工学
宮崎怜雄奈(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 自然界にはLi非含有ですが、耐酸化還元性等、Li電池用固体電解質に必要な特性を有する化合物が数多く存在します。当然これらはそのままでは使用できませんが、人為的にLi+伝導体とすれば全固体電池への応用が可能です。本研究では、Liフリー化合物へ恣意的にLi+伝導性を付与し新規固体電解質の開発を行います。
特徴
 固体電解質用の高Li+伝導体開発においては、これまで当然の様にLi含有化合物が検討されてきました。しかし電池として要求される全ての特性を満たす材料は未だありません。これに対して本研究は発想を180度転換し、Liフリー化合物 に着目しました。現在までにKIへLiBH4を少量ドープした純Li+伝導体の開発に成功しています。
背景・従来技術
 低炭素社会の実現のため、蓄電技術の開発が必要不可欠となっています。中でもLi電池は最も有望とされていますが、安全性・信頼性向上のため、電解質に不燃性のセラミックを用いた全固体Li電池の開発が急務となっています。
実用化イメージ
 任意のLiフリー化合物へLi+伝導性を付与できれば、電解質の可能性が無限に広がります。これにより、優れた全固体Li電池の開発に大きく貢献出来ると考えています。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 従来着目されてこなかった組成領域で新規固体電解質開発を目指します。現状では一見遠回りに見えるかもしれませんが、実現できれば各電極材料の特性や電池の使用環境に合わせた固体電解質開発も夢ではありません!

文献・特許
・R. Miyazaki, H. Maekawa and H. Takamura, APL Materials, 2, 056109 (2014)
・東北大学工学研究科プレスリリース, 2014年5月21日 (http://www.eng.tohoku.ac.jp/news/news1/detail-,-id,191.html)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
インピーダンスアナライザ
充放電試験装置
示差走査熱分析装置
グローブボックス
走査型電子顕微鏡
共同研究を希望するテーマ
セラミックス固体電解質の開発
全固体電池の作製・評価
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:宮崎怜雄奈