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~タンパク質も掴める柔らかいロボット~

高分子ゲルを用いた機能性デバイスの開発

研究分野分類:5307 エネルギー関連化学
産業分類:化学工業,医療業
キーワード:エネルギー変換,分子素子,インテリジェントデバイス,センサー
化学
複合化学
高田主岳(物質工学専攻)
研究概要
 高分子ゲルに電気化学的に活性な化学種を導入した、”ソフト”な機能性デバイスの開発を行っています。主なデバイスとして、2 V以下の電位印加により伸長屈曲アクチュエータ、数十pl/sの流速で吸排水可能な微小電気化学ポンプ、イオン濃度の変化により自動的に開閉する分子バルブ等があります。
特徴
 本研究で用いる高分子ゲルは非常に柔らかく、その体積が数十〜数百倍も変化するため、大きな動作量を必要とするデリケートなものを扱うデバイスに最適です。さらに設計の自由度が高く、小型化も容易です。また、酸化還元反応を駆動力としていることから、他のゲルを用いたデバイスに比べて、動作エネルギーが低いことが特徴です。
背景・従来技術
 これまで、デバイスの多くは硬い素材で作られたものがほとんどでした。そのため、デリケートなものを扱うことができず、また大きな動作量を得ることも困難でした。
実用化イメージ
 デリケートなもの(例えばタンパク質、酵素、グラフェン、劈開させたマイカチップなど)を扱うマニュピレータや3D表示素子としての応用が期待されます。また、高い生体適合性や微小化の容易さを活かし、ドラッグデリバリーシステムへの応用も考えられます。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 高分子ゲル、電気化学、分析化学をキーワードに、ビジュアル、ソフト、微小な機能性デバイスの開発に取り組んでいます。御興味があれば、お気軽にお問い合わせください。

文献・特許
・K. Takada et al., Sensors and Actuators B, 142, 377 (2009).
・K. Takada et al., Chemistry Letters, 40, 1152 (2011).
・K. Takada et al., Sensors and Actuators B, 160, 1586 (2011).
・K. Takada et al., Sensors and Actuators B, 185, 140 (2013).
・N. Hisamatsu et al., Sensors and Actuators B, 203, 289 (2014).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
電気化学測定装置全般
共同研究を希望するテーマ
ソフトアクチュエータの実用化
分子バルブの実用化
微小ポンプのさらなる微小化
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研究者名:高田主岳