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~サブナノ構造制御で水素を分離~

新規セラミックス系材料の創製と応用

研究分野分類:5902 無機材料・物性
産業分類:窯業・土石製品製造業 ,電子部品・デバイス・電子回路製造業
キーワード:無機材料創成・合成プロセス,機能性セラミックス材料,表界面制御
工学
材料工学
岩本雄二,大幸裕介,本多沢雄(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 室温から1800℃に至る種々の有機・無機変換プロセスを駆使して、サブナノメートルサイズレベルで組織制御した無機・有機ハイブリッド材料やナノ多結晶体の創製研究等に取り組んでいます。1つのテーマとして、将来の高効率水素製造、貯蔵・輸送・利用システムに応用可能な水素分離膜があります。
特徴
 水素分離膜の外側を構成するミクロポーラス分離活性層については、水素選択透過性、高温水蒸気安定性などを備える金属添加シリカ膜材料の研究を行っています。また、メソポーラス中間層としては、γ-Al2O3が考えられていますが、実用化に向けて耐熱・耐水蒸気性の改善ための研究を行っています。
背景・従来技術
 燃料電池に使用される水素の製造プロセスの1つとして、メタンの水蒸気改質反応があります。従来の方法では、水素の生成工程と分離工程を別々に行っていましたが、多層構造の多孔質セラミックス水素分離膜を利用する方法はそれらの工程を一体化することが可能です。
実用化イメージ
 環境・エネルギー分野への応用を目指し、ここでご紹介した水素分離膜の研究の他、CCSシステムに用いる二酸化炭素分離膜、新規燃料電池電解質、そして高効率蛍光体など実用化に向けて研究を進めています。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 プレカーサーの分子構造を起点としたセラミックス系材料のサブナノ構造制御による新たな機能発現を目指しております。

文献・特許
・M. N. M. Sokri et al., Microporous Mesoporous Mat., 215, 183-190 (2015).
・Y. Shimokawa et al., J. Lumin., 157, 113-118 (2015).
・M. N. M. Sokri et al., J. Ceram. Soc. Japan, 123, 292-297 (2015).
・エネルギー・化学プロセスにおける膜分離膜技術, S&T出版, pp. 268-275 (2015)
・POLYMER DERIVED CERAMICS, 5.7. Membranes, DEStech Publications, Inc, pp. 396-400 (2010).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
プレカーサーの化学合成用設備
ガス分離膜合成(薄膜形成)装置
高温雰囲気炉(不活性ガス加圧10気圧、1850℃まで可能)
ガス分離膜ガス透過特性評価装置
共同研究を希望するテーマ
ガス分離膜の創製
新規非酸化物系蛍光体の創製
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:岩本雄二 , 大幸裕介, 本多沢雄