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~渦の制御により液体の流れ抵抗を下げる~

流動抵抗低減技術の開発

研究分野分類:5504 流体工学
産業分類:輸送用機械器具製造業 ,化学工業
キーワード:流動損失,乱流,非ニュートン流,抵抗低減,渦
工学
機械工学
玉野真司,森西洋平(機能工学専攻)
研究概要
 冷却水や燃料等の液体が配管を流れる際、壁面と流体との摩擦によって流動損失が生じ、その大きさは壁面近くに存在する渦の強さに大きく依存します。当研究室では、壁面近くの渦の生成・維持メカニズムを上手く制御することによる流動損失低減(DR)技術の開発に取り組んでいます。
特徴
 低環境負荷で機械的せん断劣化が起こり難い非イオン性界面活性剤による新規なDR剤を用い、実験系での評価を行いました。流路内に取り付けた平面壁上から新規DR剤を注入して平板上乱流境界層を測定し、DR効果の評価とメカニズムの解明を行い、高いDR効果を確認しました。これにより、新規DR剤の実用化の期待が高まります。
背景・従来技術
 工業プラント等の各種配管系や航空機・船舶等の輸送機械において、DR技術は省エネ化のための重要課題の1つです。流動抵抗の低減方法の1つに陽イオン性界面活性剤がありますが、DR効果が高い反面、環境負荷が懸念されます。低環境負荷のDR剤としては非イオン性界面活性剤が期待されますが、これまで実用化に向けた評価が不十分でした。
実用化イメージ
・化学工場、食品工場、冷凍食品倉庫等の冷凍・冷却設備
・寒冷地における住宅・ビルの温水暖房設備、
他 媒体の輸送動力を軽減し、ポンプの運転コストを削減

企業等への提案

研究者からのメッセージ
物体周りの流れや配管内の流れの流動抵抗低減を目指します。
非イオン性界面活性剤については、物質工学専攻の多賀先生(現在退職)・山本靖先生との共同研究です。

文献・特許
・Shinji TAMANO, Takuya KITAO, and Yohei MORINISHI, Journal of Fluid Mechanics, Vol.749, 2014, pp.367-403.
・Shinji TAMANO, Hiroki IKARASHI, Yohei MORINISHI, and Keijiro TAGA, Journal of Non-Newtonian Fluid Mechanics, Vol.215, 2015, pp.1-7.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
大型回流式水槽
管径が異なる円管内流動装置
高精度速度場計測装置
高精度差圧測定装置
共同研究を希望するテーマ
複雑配管内の流動抵抗低減
鈍頭物体周りの流動抵抗低減
不凍液環境下での流動抵抗低減
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:玉野真司 , 森西洋平