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研究分野分類:5904 構造・機能材料 産業分類:電子部品・デバイス・電子回路製造業,その他の製造業 |
キーワード:界面・ぬれ・接着・破壊,ナノマイクロ加工,機能性分子材料,昆虫ミメティクス,生物規範工学 |
工学 |
材料工学 |
石井大佑(若手研究イノベータ養成センター) |
研究概要 ポンプ不要で効率よく液体を吸い上げることが可能な微小流路の開発に成功しました。この微小流路は、海辺に生息する甲殻類のフナムシの脚構造を模倣しており、平板状の微細突起毛が異方的に配列している構造をもっています。微細突起毛の配列構造や表面化学組成を制御することで、水、アルコール、オイル等も吸引ポンプを要せずに重力に逆らって輸送できました。 |
特徴 生物をモデルにした材料開発は生物規範工学と呼ばれており、今後のエコ社会を築くために必要不可欠な技術分野です。本研究は、自発液体輸送プロセスという生物のもつ機能要素を抽出した生物規範工学に基づく材料開発です。 |
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背景・従来技術 フナムシの自発液体輸送システムは、微細構造と液体との界面自由エネルギーの相関で実現されていました。微細構造は流路抵抗になると考えられていましたが、フナムシ模倣微細構造では液体輸送を促進させていました。つまり、微細構造と疎水性分泌液との複合効果により、界面自由エネルギーを制御して自発液体輸送していました。 |
実用化イメージ 開発した流路の配列構造や組成制御による固体表面張力と、液体表面張力との相関関係を利用し、異種液体の分離プロセスへの応用も期待できます。 |
企業等への提案
研究者からのメッセージ
自然界には驚くべき機能が隠されており、省エネルギーで効率よく達成されています。本研究は、そのシステムを液体操作に応用しています。他にも表面構造と表面組成の制御による省エネ液体操作を試みています。
文献・特許
・特願2014-089650,『 ブレード複合型開放流路装置およびその接合体』
・Daisuke Ishii, et al., “Water transport mechanism through open capillaries analyzed by direct surface modifications on biological urfaces”, Sci. Rep., 3, 3024 (2013)
・Daisuke Ishii et al., “Capillary rise on legs of a small animal and on artificially textured surfaces mimicking them” PLoS ONE, 9(5), e94341 (2014)
・2013年10月11日 日経産業新聞「 虫などの構造に注目 省エネ製品開発に応用」
・2013年8月20日 日経新聞「 流出油回収に新材料 フナムシの脚まねる 名工大と浜松医大」
試作品状況 | 無し | 掲示可 | 提供可 |
利用可能な設備・装置 ・デジタルマイクロフルイディクスデバイス ・微量液体輸送システム ・マイクロリアクター ・微小液体センサー ・カテーテル等の医療機器 ・油水分離システム |
共同研究を希望するテーマ ・油水分離デバイス ・防汚・防滴・防曇・防霜表面 ・高粘性オイル輸送 ・超親水性表面 ・微量輸送管 ・バイオチップ |
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください) 研究者名:石井大佑 |
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