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~高精度シュミレーションで熱設計を~

CHT技術による熱伝導解析

研究分野分類:5505 熱工学
産業分類:輸送用機械器具製造業
キーワード:対流,物質輸送,電熱機器
工学
機械工学
服部博文(技術部),田川雅人,保浦和也(機能工学専攻)
研究概要
 コンピュータを援用したCHT(Computational Heat Transfer:計算伝熱)技術により、様々な機器内の熱伝達現象を再現し、伝熱効率などを見積もります。機器形状を変更したい時や、装置実験では計測しがたい場所の物理量などを算出したい時など、この技術を駆使すれば熱伝達現象に関する豊富なデータを得ることができます。
特徴
 開発した乱流モデルを用いて様々な流体や熱的要素が噛み合った熱流動場を高精度に再現することができ、熱流体の摩擦係数や熱伝達率が容易に求められます。また、乱流モデルを用いずに支配方程式を解く解法も用意され、より高度な熱流動場の情報が必要な場合に対応できます。
背景・従来技術
 熱流体を支配する方程式は、特に流体が乱流状態となると、解くことが非常に困難になります。そのため、支配方程式を数学的に操作して近似モデル式(乱流モデル)を入れることにより方程式を解くことが容易になりますが、従来の乱流モデルでは複雑な熱流動場の解析は困難でした。また、乱流モデルによって解の精度が変化するため、高精度な解が導ける乱流モデルの構築が必要となっています。
実用化イメージ
 CPU の放熱状態や種々の燃焼機関内熱伝達現象の解析など

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 熱流動場の数値解析は、装置実験と双璧をなす設計ツールになっています。企業での実機に対する知識と、研究での熱流体に関する物理的な知識・数値解析技術が融合できることを期待しています。

文献・特許
・特許第4797157号,『 浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性の推定方法及び推定プログラム』
・服部ら,再分配と壁面漸近挙動を考慮した非線形2 方程式モデル,日本機械学会論文集(B 編),68- 666,pp. 360-367 (2002)
・H. Hattori, et. al., “DNS, LES and RANS of turbulent heat transfer in boundary layer with suddenly changing wall thermal conditions,” International Journal of Heat and Fluid Flow, 41, June 2013, pp. 34-44 (2013)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・数値計算用ワークステーション数台
共同研究を希望するテーマ
・複雑熱流動場の高精度予測法に関する研究
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:服部文博,田川正人, 保浦知也
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