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~簡便で安全な流体温度場の可視化計測法~

流体温度場スキャナ

研究分野分類:5505 熱工学
産業分類:輸送用機械器具製造業,熱供給業
キーワード:熱流体計測,エネルギー関連機器,温熱環境の計測と評価,応答補償
工学
機械工学
田川正人,保浦和也(機能工学専攻)
研究概要
 本技術は、エアコンや自動車など各種機器から排出される流体の温度分布を簡便かつ定量的に可視化するために開発した新しい計測法です。この可視化技術を「流体温度場スキャナ」と呼んでいます。
特徴
 この可視化技術は、温度プローブとカメラおよび画像処理用パソコンで構成されます。プローブ形状は多数の細線熱電対を一列に配置して掃引可能とした棒状で、その側面には計測位置認識用マーカーが取り付けられています。このプローブで測定対象の流体温度場をスキャンします。このとき、プローブ位置を画像計測するとともにプローブの出力を「適応応答補償」することにより、二次元温度場を極めて容易かつ短時間に可視化計測できます。
背景・従来技術
 従来の流体温度場の多次元計測では,研究用レーザが使用されるために計測システムが複雑・高価であり、安全性にも格段の配慮が必要です。一方、簡便・安価な熱電対など接触型温度センサでは、センサの応答時間を考慮する必要があり、温度場を正確に計測するためには応答時定数を正しく推定することが必須です。
実用化イメージ
 レーザを用いない流体温度分布のリアルタイム可視化法は全く新しい計測技術として実用化にも魅力があります。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 厳しい温熱環境下での作業時における作業者の安全確保や熱流体機器の設計開発においても流体温度場を簡便・短時間で可視化できる技術が望まれていることから、実用化を視野に入れて研究開発を進めています。

文献・特許
・田川正人,保浦知也,機械の研究,第64 巻 第1 号,29-41 (2012)
・稲葉貴久,貝吹和秀,保浦知也,田川正人,日本機械学会論文集B 編,77 巻,第775 号,875-881 (2011)
・田川正人,計測技術,第14 巻 第1 号,1-10 (2009)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・流体温度場スキャナ
共同研究を希望するテーマ
・流体温度場スキャナの実用化
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:田川正人 , 保浦知也
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