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~MEMS壁面が造り出す革新的マイクロエネルギー~

MEMSとレーザー計測による壁面の化学的効果の解明

研究分野分類:5505 熱工学
産業分類:情報通信機械器具製造業,輸送用機械器具製造業
キーワード:マイクロ燃焼,表面反応,化学的消炎,MEMS,レーザー計測
工学
機械工学
齋木 悠(機能工学専攻)
研究概要
 燃焼器壁面近くの火炎は壁の消炎効果を強く受け、例えば超小型燃焼器では火炎の安定性が著しく悪化します。本研究では、火炎中の中間生成物(ラジカル)が壁面での表面反応により破壊される化学的消炎効果を解明し、マイクロスケール燃焼(<1 mm)の実現を目指します。
特徴
 本研究は、MEMS 技術と顕微レーザー計測を融合することで、表面性状(材質・欠陥)を緻密に制御した壁面とラジカルの吸着強度を系統的かつ定量的に評価する点に大きな特色があり、化学的効果の詳細反応モデルの構築を可能とします。
背景・従来技術
 携帯情報通信端末や小型医療機器の高性能化に伴い、燃料から発電するマイクロ燃焼システムが、2 次電池よりも数10 倍高いエネルギー密度を持つモバイル・エネルギー源として期待されています。しかし、マイクロ燃焼を安定維持する上で極めて重要な壁面の化学的効果に関する知見は、実験計測が困難なことから皆無に等しいのが現状です。
実用化イメージ
 化学的効果のモデル化を通じて、火炎に対し完全に不活性な壁面を見出せれば、高付加価値エネルギー変換のためのマイクロ燃焼器・改質器の創出や、壁面を有する多くの内燃機関・工業炉の一層の性能向上に貢献できると考えられます。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 MEMS 技術と先端計測技術を用いた、マイクロエネルギー源の創製や次世代ガスタービン・エンジン燃焼システムの開発を夢見て研究を進めています。ご興味のある方は、是非ご連絡下さい。

文献・特許
・齋木悠,鈴木雄二,日本燃焼学会誌,vol. 56,pp. 80-87 (2014)
・Saiki, Y. and Suzuki, Y., Proc. Combust. Inst. vol. 34, pp. 3395-3402 (2013)
・齋木悠,鈴木雄二,日本燃焼学会誌(解説記事),vol. 55,pp. 138-146 (2013)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・真空アークプラズマガン
・原子間力顕微鏡
・エッチング装置
・顕微LIF計測装置
共同研究を希望するテーマ
・マイクロ燃焼器の開発
・燃料電池のための小型改質器の開発
・内燃機関での壁面近傍の燃焼挙動
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研究者名:齋木 悠
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