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~表面・界面から麻酔現象を理解しよう!~

膜界面ダイナミクスに着目した麻酔発現の機構解明

研究分野分類:5301 機能物性化学
産業分類:化学工業,電子部品・デバイス・電子回路製造業
キーワード:生体機能材料,膜センサー,機能性分子膜,表面・界面物性,麻酔薬作用
化学
複合化学
山本 靖(物質工学専攻)
研究概要
 表面・界面対応型の微量物質検出装置を開発するとともに、水面上に作成した分子膜を生体膜に見立て、未だ解明されていない麻酔の発現機構について、界面化学的立場から解明し、新規麻酔薬の開発指針を提案することを目指し、研究を行なっています。
特徴
 体内において、高濃度での発現、効果の可逆性といった、麻酔独特の現象は、医学にとどまらず科学、特に界面化学の立場からもアプローチできることを指し示すものです。吸着物質の質量・粘弾性変化が検出可能な【水晶振動子法】を利用して、独自に界面物性検出装置を作成し、麻酔の発現機構を分子論的に明らかにしていくことが、本技術での特徴です。
背景・従来技術
 これまで、麻酔に関する研究は医学的観点から数多く行なわれてきましたが、その実態は、麻酔現象を分析し、対応する麻酔薬受容体を同定して済ませているにとどまっているのが現状でした。より安全な麻酔手術においては、分子レベルでの発現機構の解明が必要不可欠です。
実用化イメージ
 新規麻酔薬の開発の他、水面上分子膜(モデル生体膜)の特性を理解することにより、この分子膜を利用して、環境汚染物質や空中浮遊菌の検出のための簡易な膜センサーとしての応用が期待されます。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 温度や湿度、電気関係といった測定装置周辺の環境を整えることで、より精密な測定が行なえることが分かってきました。企業で培われている環境整備のノウハウをお教えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

文献・特許
・Y. Yamamoto et al., Journal of Colloid and Interface Science, 298, 529-534 (2006)
・Y. Yamamoto et al., Colloids and Surfaces A: Physicochemical Engineering Aspects, 317, 568-575 (2008)
・Y. Yamamoto et al., Colloids and Surfaces A: Physicochemical Engineering Aspects, 367, 47-51 (2010)
・Y. Yamamoto et al., Journal of Biophysical Chemistry, 2, 68-74 (2011)
・D. Yoshida et al., Journal of Biophysical Chemistry, 4, 115-121 (2013)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
表面・界面張力装置
ブリュースター角顕微鏡
電気伝導度測定装置
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研究者名:山本 靖
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