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~脱ハーバー・ボッシュ!~

空中窒素と水中プロトンからアンモニアを合成

研究分野分類:5203 無機化学
産業分類:化学工業
キーワード:アンモニア合成,生体模倣,イオン液体,水中プロトン,空中窒素
化学
基礎化学
増田秀樹(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 空中窒素と水中水素からアンモニアを電気化学的に合成する新規アンモニア製造法を開発しました。
特徴
 生物界にはニトロゲナーゼという酵素が存在し、常温常圧下で空中窒素とプロトンからアンモニアを合成しています。本技術は、空中窒素と水中水素とから常温常圧下イオン液体中で、電気化学的にアンモニアを合成する極めて低環境負荷な方法です。
背景・従来技術
 アンモニアは肥料やあらゆる含窒素化成品の原材料となるだけでなく、最近ではエネルギーキャリアやガソリンの代替品として期待されています。しかし、現在その製法は100年前に開発されたハーバー・ボッシュ法に頼っています。この製法は化石燃料由来の水素を用いるだけでなく、高温高圧下という環境負荷の大きい条件下で遂行されており、新規合成法が求められています。

実用化イメージ
 イオン液体中に窒素を捕捉・活性化する触媒を担持し、空中窒素と水由来の水素とから電気化学的にアンモニアを合成する方法です。現在
窒素を固定化する鉄系触媒の開発と効率よく反応させる電気セルを開発中です。次に簡易型アンモニア製造装置のプロトタイプを開発し、家庭で簡単に製造できる装置を開発したいと考えています。

   

企業等への提案

研究者からのメッセージ
本研究は、空中窒素と水中水素とからアンモニアを合成しようというコンセプトのもと開拓したものです。現時点ではまだ実験室段階です。そのため、そのことを承知の上で開発研究等に参加協力頂けると助かります。

文献・特許
・特願2011-047955,『 アンモニア製造法』
・特願2012-182558,『 アンモニア製造方法およびアンモニア製造装置』

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
X線構造解析装置
電子スピン共鳴分光装置
核磁気共鳴分光装置
質量分析装置
共鳴ラマン分光装置
共同研究を希望するテーマ
脱ハーバー・ボッシュによるアンモニア合成触媒
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:増田秀樹
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