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研究分野分類:5203 無機化学 産業分類:化学工業 |
キーワード:酸化触媒,生物機能,メタン,ベンゼン,水酸化 |
化学 |
基礎化学 |
増田秀樹(未来材料創成工学専攻) |
研究概要 天然に存在するメタンモノオキシゲナーゼ酵素の構造/機能を摸倣した金属錯体触媒を開発しました。高酸化能を有する二核銅(II)(III) 錯体触媒の開発に成功し、これを用いてメタンやベンゼンの水酸化を検討中です。 |
特徴 生物界にはメタン資化細菌という酵素がメタンモノオキシゲナーゼという酵素を用いて常温常圧下でメタンからメタノールへの水酸化を行っています。本技術はこの酵素活性中心の構造を摸倣した錯体触媒を開発したものであり、低環境負荷な酸化触媒が期待されます。 |
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背景・従来技術 メタノールは今日の化学工業を支える様々な化学製品の主原料です。工業的製造法としてはメタンの水蒸気改質法が用いられていますが、環境への負荷が極めて高いです。また、フェノールはフェノール樹脂の原料であり、極めて重要な化学物質です。その製法はベンゼンからクメン法により3 段階で合成していますが、その収率は5%程度と極めて低く、新規合成法が求められています。 |
実用化イメージ 低分子系での混合原子価二核銅錯体は合成できており、現在その実用化条件を検討すべく開発研究を進めています。次にこれを用いて、酸素種によるメタンの活性化を検討し、反応場およびそのプロトタイプを開発します。 |
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企業等への提案
研究者からのメッセージ
本テーマは、混合原子価二核銅錯体の製造に成功したものであり、現時点ではまだ実験室段階です。そのため、そのことを承知の上で開発研究等に参加協力頂けると助かります。
文献・特許
・特願2014-157249,『 混合原子価2核銅錯体およびそれを用いてメタンをメタノールに変換する製造方法』
・特願2011-183184,『 単核系金属錯体を有効成分とする酸化触媒およびその利用』
・J. Matsumoto, Y. Kajita and H. Masuda, Eur. J. Inorg. Chem., 2012(26), 4149-4158 (2012)
・増田秀樹,『 物質・エネルギー変換の未来を拓く高機能材料の開発』, 超ハイブリッド材料,NTS (2012)
試作品状況 | 無し | 掲示可 | 提供可 |
利用可能な設備・装置 X線構造解析装置 電子スピン共鳴分光装置 各磁気共鳴分光装置 質量分析装置 共鳴ラマン分光装置 |
共同研究を希望するテーマ 水酸化触媒 高酸化触媒 |
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください) 研究者名:増田秀樹 |
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