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~亜鉛が不老長寿の薬に!~

ヘルスケアのためのアンチエージング剤の開発

研究分野分類:5203 無機化学
産業分類:医療業,保健衛生
キーワード:活性酸素,生物機能,亜鉛,SOD活性,アンチエージング
化学
基礎科学
増田秀樹(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 我々は、亜鉛がアンチエージング効果(活性酸素除去能)を有することを発見しました。これまで活性酸素と亜鉛の結合は知られていないことから、活性酸素除去能を示すSOD 活性(スーパーオキシド不均化能)を有することは考えられていませんでした。
特徴
 銅- 亜鉛SOD にSOD 活性があることは古くから知られていましたが、活性部位は銅と考えられていました。しかし、我々の研究により亜鉛にSOD 活性があることが示されました。しかも配位することなく第二配位圏(錯体中の金属イオンに直接配位子が結合する範囲の外側の領域)で不均化が起こるという極めて珍しい機構であることを示しています。
背景・従来技術
 SOD 活性はこれまで銅-亜鉛SOD、鉄SOD、マンガンSOD、ニッケルSOD が知られており、いずれの場合もスーパーオキシドイオンの金属への配位で不均化が進行すると考えられてきました。
実用化イメージ
 活性酸素が亜鉛に結合することなく不均化されることから、使い勝手は非常に簡単です。また亜鉛は毒性が極めて低いことから、外用だけでなく服用によるアンチエージング剤として期待がもたれます。


Angew. Chem. Int. Ed. Engl. , 52, 12454-12459 (2013) (Cover pictureに採用)

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 本テーマは、亜鉛に活性酸素除去能を有することの証明に成功したものであり、現時点ではまだ実験室段階です。そのため、そのことを承知の上で開発研究等に参加協力頂けると助かります。
文献・特許
・特許第3986448号,『 亜鉛ヒドロペルオキシド錯体、過炭酸亜鉛錯体、および前期各化合物の酸化剤としての利用』
・特許第4731099号,『 SOD 活性亜鉛錯体類』
・A Wada et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 44, 5698-5701 (2005)
・A Wada et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 52, 12454-12459 (2013)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
X線構造解析装置
電子スピン共鳴分光装置
核磁気共鳴分光装置
質量分析装置
共鳴ラマン分光装置
共同研究を希望するテーマ
アンチエージング剤
SOD創薬
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研究者名:増田秀樹
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