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~ナトリウムの高容量貯蔵をカーボンナノチューブで実現~

ナトリウムイオン電池負極としてのリン内包ナノチューブ

研究分野分類:4303 ナノ材料化学
産業分類:電子部品・デバイス・電子回路製造業
キーワード:二次電池,カーボンナノチューブ,ナトリウム
総合理工
ナノ・マイクロ科学
川崎晋司(物質工学専攻)
研究概要
 次世代二次電池の一つとして期待されるナトリウムイオン電池の負極材料をカーボンナノチューブを利用してつくりました。リンはナトリウムイオンを吸蔵できますが、単体のままではうまくイオン放出ができません。私たちはリンをナノチューブの中空に取り込むと可逆的なナトリウムイオンの吸脱着が可能であること、すなわち充放電が可能であることを見出しました。
特徴
 バルク状態では負極材料として利用できないリンをカーボンナノチューブの中空に保持することにより可逆的なイオン吸蔵・放出を可能にしました。ナノチューブ内のリンはきわめて特殊な状態であることがよい結果を生み出したと考えられます。
背景・従来技術
 リチウムイオン電池は優秀な二次電池ですが、リチウムは資源的に豊富ではなく今後の価格高騰が懸念されます。リチウムをナトリウムに置き換えれば安価な二次電池が可能ですが、良い負極材料が見つかっていません。リチウムイオン電池に利用されている黒鉛負極はナトリウムの吸蔵には適していません。
実用化イメージ
 今回開発した負極材料を用いて試作電池を作製し、テストを重ねながら他の部材の最適化も行い、製品プロトタイプまで開発したいと考えています。

   

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 ナノカーボンのユニークな物理・化学特性と秩序だったナノ空間をうまく利用すればこれまでにない画期的な材料開発が可能であると信じています。新しい機能発現方法であり予想もつかない進展が期待できると思います。

文献・特許
・特願2014-105734, 川崎晋司、ソン ハヨン、早川太一、『リンを内包した単層カーボンナノチューブ、それを含むリチウム及びナトリウムイオン二次電池の負極及びその製造方法』、2014 年05 月22 日

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
ナノチューブ合成CVDライン
電池評価システム
共同研究を希望するテーマ
全固体ナトリウムイオン電池開発
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:川崎晋司
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