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~道具の先に指先の感覚を与えます~

腹腔鏡下触診システム

研究分野分類:2302 医用システム
産業分類:電気機械器具製造業,医療業
キーワード:検査・診断システム,低侵襲治療システム,触覚,ヒューマンインターフェース,メカトロニクス
複合領域
人間医工学
田中由浩(機能工学専攻)
研究概要
 腹腔鏡下手術では困難であった触診を可能にするシステムを開発しています。胃壁に生じた早期癌(しこり)の位置同定を可能にし、適切な切除マージンの決定で根治性と低侵襲性を一層向上します。
特徴
 開発した装置は、シンプルかつ生体に安全な(電気レス、滅菌洗浄可)触覚センサを搭載した鉗子と、鉗子を操作する術者にセンサ情報をフィードバックする触覚ディスプレイから構成されます。センサ情報を触覚で体感できることで、術者のスキルを最大限活用できます。
背景・従来技術
 低侵襲手術は、患者の肉体的・ 精神的な負担を軽減できる反面、術者の触覚が制限されてしまう課題があります。開腹手術では、術者の手による触診は腫瘍の位置同定などに有効です。このような背景に対し、多くの触覚センサが研究されていますが、電気的安全性や滅菌・洗浄などの医療用に特化した条件や、対象環境が複雑であることから未だ十分なものはありません。
実用化イメージ
 腹腔鏡下手術を対象としていますが、電気レスなシンプルなセンサや、センサ情報を体感できる触覚ディスプレイから構成されることから、道具の先に使用者の触覚を搭載できるシステムであり、手が届かない/触れない対象の触覚センシングに応用可能です。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 触覚に関する技術は、近年注目を浴びている分野で、価値創造の中途にあります。是非とも新しい触覚技術の研究開発に参画いただき、これまでにない新しい価値と効果を創造できればと思います。

文献・特許
・Y. Tanaka, T. Fukuda, M. Fujiwara, A. Sano: “Tactile sensor using acoustic reflection for lump detection in laparoscopic surgery” , Int J CARS, 2014, DOI: 10.1007/s11548-014-1067-z.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

共同研究を希望するテーマ
安全性評価
システム小型化
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研究者名:田中由浩
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