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~高齢者の発話音声と脳血流データから認知症の危険度を察知します~

だれでも使える認知症のスクリーニング技術

研究分野分類:2302 医用システム
産業分類:学術・開発研究機関,医療業
キーワード:検査・診断システム,臨床研究,医療情報システム,老年学,統計計算・コンピュータ支援統計
複合領域
人間医工学
加藤昇平(情報工学専攻)
研究概要
 高齢者の発話音韻特徴と脳血流に着目した新しい認知症スクリーニング技術です。技術内容は、発話音声から認知機能レベルの推定に有効な非言語的特徴を抽出する技術、ならびに、近赤外分光測定法による脳血流データから認知活動レベルを評定する技術、をそれぞれ開発し、これを統合することで、高齢者の認知機能障害、あるいは、初期段階のアルツハイマー型認知症を自動判別する計算アルゴリズムを開発しました。
特徴
 問診型(テスト形式)による従来の認知症スクリーニングツールとは根本的に異なり、高齢者の発話音声に含まれる言語的特徴を一切用いること無く非言語的特徴のみを分析します。高齢者がテストを意識せず検査を受けられ、従来技術の問題点、1) テストへの拒否感/ 慣れ、2)受診者の教育程度の影響をうける、等の問題点が解決されます。
背景・従来技術
 認知症は早期発見が治療の鍵となりますが、「まさか自分が」といった心理的な抵抗感から受診に二の足を踏む人が多い問題があります。
実用化イメージ
 これまでの医療介護現場で実施されてきた問診型の検査方法に代わる新しいスクリーニング技術として、誰でも、定期的に、安心して、認知症スクリーニング検査を受けることが可能となります。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 命あるもの、老いや死を避けることは出来ません。近年、老いを科学する学際領域に工学技術のアプローチが盛んです。皆さんと豊かな健康長寿社会と健やかな老いを実現する情報技術・サービスを開発・展開しましょう。

文献・特許
・特許第4876207 号,『認知機能障害危険度算出装置,認知機能障害危険度算出システム,およびプログラム』・U.S. Patent Application: No.14/122,786,『Cognitive Impairment Determination Apparatus,Cognitive Impairment Determination System and Program』
・Shohei Kato, Hidetoshi Endo, Risako Nagata, Takuto Sakuma, Keita Watanabe,Toward Personalized Cognitive Training for Elderly with Mild Cognitive Impairment: Cerebral Blood Flow Activation during Verbally-Based Cognitive Activities,IEEE SMC 2013, pp.3775-3779,October 13-16, 2013
・Shohei Kato,Hidetoshi Endo,Akira Homma,Takuto Sakuma,Keita Watanabe,Early Detection of Cognitive Impairment in the Elderly Based on Bayesian Mining Using Speech Prosody and Cerebral Blood Flow Activation,IEEE EMBC’13,pp.5813-5816,July 3-7,2013
・加藤昇平,遠藤英俊,鈴木祐太,課題実行時fNIRS 脳機能計測データのベイジアンマイニングに基づく認知機能障害の3群判別,人工知能学会論文誌,Vol.27,No.2, pp.28-33, 2012

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
ポータブルfNIRS
SPCIR: speech prospdy-based cognitive impairment rating 計算プログラム
共同研究を希望するテーマ
臨床データ採取の補助
新規フィールド開拓
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:加藤昇平
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