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~光で細胞をコントロール!~

光で細胞内のGタンパク質発現を制御する分子の開発

技術分野分類:6701 分子生物学
産業分類:化学工業, 医療業
技術キーワード:トランスポーター・能動輸送,創薬・ゲノム薬理学,光脳科学,光生物,光学素子・装置・材料
生物学
生物科学
神取秀樹(未来材料創成工学専攻) 
技術概要
私たちは、光応答性のタンパク質であるロドプシンとGタンパク質共役型受容体(GPCR)とのキメラタンパク質をデザインすることで、細胞の状態をコントロールするGタンパク質を光で制御する技術を新たに開発しました。
特徴
これまでGタンパク質を制御するにはGPCRが応答する物質を探しだし、それを細胞に添加する必要がありましたが、多くのGPCRではそのような物質を見つけ出すのが困難でした。我々は光を使って細胞内のあらゆるGタンパク質を操作することができるキメラタンパク質を新たにデザインし、これまで困難だったGタンパク質の制御を容易に行える技術を開発しました。
背景・従来技術
自動車などから排出される有害成分は触媒により浄化されていますが、高い浄化性能を実現するために、貴金属や希土類などの希少元素が触媒の必須成分として利用されています。一方、世界的な環境問題の高まりから、希少元素の急激な需要増加と、それに伴う価格高騰が予測され、希少元素を節減した高性能触媒の開発が急務となっています。
実用化イメージ
将来的には生体内にある様々なGタンパク質を自由に制御することで、疾患との関わりを調べるツールとして私たちのキメラタンパク質を利用していきたいと考えています。さらに、そこからGタンパク質の関わる疾患の治療法の確立につなげることを目指します。

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
通気撹拌では撹拌翼で気泡を受け分散するという手法が常識でしたが、その必要を無くしたことが本技術の特徴です。気泡が翼にかからなくても液は混合されるので、本技術の様なキャビティが形成されない翼が理想です。

文献・特許
・Nakatsuma, A.; Yamashita, T.; Sasaki, K.; Kawanabe, A.; Inoue, K.; Furutani, Y.; Shichida, Y.; Kandori, H. Biophys J 2011, 100, 1874-82

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
赤外分光器
ナノ秒パルスレーザー
共同研究を希望するテーマ
Gタンパク質制御を利用した創薬研究
より高機能なGタンパク質制御分子の設計
光応答性分子を用いた応用研究
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:神取秀樹
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