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~レアメタルを使わない環境浄化触媒の実現へ~

希少元素節減のための触媒材料研究

技術分野分類:6003 触媒・資源化学プロセス
産業分類:化学工業,非鉄金属製造産業
技術キーワード:触媒反応,高機能触媒,触媒機能解析,省資源・省エネルギー技術,環境浄化・低負荷・環境調和
工学
プロセス・化学工業
羽田政明(未来材料創成工学専攻)
技術概要
ナノレベル微粒子の合成研究や分光学的手法を活用した触媒ナノ反応解析などにより、貴金属や希土類などの希少元素をなるべく使用しない高性能・高機能な触媒材料の開発を行っています。自動車や各種エンジン、ボイラーなどの排出ガスを浄化するための触媒材料への実用化を目指しています。
特徴
模擬排ガスによる触媒反応評価や種々の分光学的手法を用いたin situ/operando条件での触媒ナノ反応解析から、触媒機能発現ならびに触媒耐久性向上のために必要な触媒設計指針を明らかにし、地球環境にやさしい、新規で高活性・高機能な触媒材料開発を目指しています。
背景・従来技術
自動車などから排出される有害成分は触媒により浄化されていますが、高い浄化性能を実現するために、貴金属や希土類などの希少元素が触媒の必須成分として利用されています。一方、世界的な環境問題の高まりから、希少元素の急激な需要増加と、それに伴う価格高騰が予測され、希少元素を節減した高性能触媒の開発が急務となっています。
実用化イメージ
希少元素を節減した排ガス浄化触媒。希少元素を完全代替した新規排ガス浄化触媒。触媒の原理・原則に基づいた新規触媒設計・開発手法の確立。

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図1 触媒研究開発の概念図

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図2 ナノ構造制御された排ガス浄化触媒のイメージ図

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
通気撹拌では撹拌翼で気泡を受け分散するという手法が常識でしたが、その必要を無くしたことが本技術の特徴です。気泡が翼にかからなくても液は混合されるので、本技術の様なキャビティが形成されない翼が理想です。

文献・特許
・”Development of Iridium Catalysts for Selective Reduction of NO with CO”, J. Jpn. Petrol. Inst., 55, 87-98 (2012)
・”A review of selective catalytic reduction of nitrogen oxides with hydrogen and carbon monoxide”, Appl.Catal.A, 421-422, 1-13 (2012)
・「排出ガス浄化触媒の白金族金属使用量低減および代替技術」, 自動車技術, 63, 42-47 (2009)
・「ロジウム-担体相互作用を利用した省ロジウム三元触媒の開発」, 触媒, 54, 167-172 (2012)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
走査型電子顕微鏡
透過型電子顕微鏡
共同研究を希望するテーマ
大気環境浄化触媒材料の開発
触媒反応解析技術の開発
水質浄化触媒材料の開発
耐熱性触媒ナノ材料の開発
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:羽田政明
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