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~鉄鋼材料の表面機能特性を制御する表面加工技術~

鉄鋼材料における表面組織制御技術の開発

技術分野分類:5904 構造・機能材料
産業分類:鉄鋼業,金属製品製造業
技術キーワード:強度・破壊靭性,表面加工,ショットピーニング,鉄鋼材料,相変態
工学
材料工学
佐藤尚(機能工学専攻),渡辺義見(機能工学専攻) 
技術概要
多くの鉄鋼材料におけるマルテンサイト相は、強磁性で硬い性質を有する。一方、オーステナイト相は常磁性で柔らかい。本技術は、マルテンサイト相を多く有する鉄鋼材料に対し、適切な条件でショットピーニングを施すことで、加工表面近傍におけるマルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させる技術である。また、この技術は、鉄鋼材料表面における強度付与および磁気特性制御が可能である。
特徴
本技術は、マルテンサイト相を多く有する鉄鋼材料にショットピーニングを施すことで、加工表面にオーステナイト相を生成する技術である。この技術は、加工表面組織が微細化するため、材料表面の硬さを向上させると共にオーステナイト相分率を制御することができる。
背景・従来技術
従来、材料内部にマルテンサイト相を持ち、材料表面近傍にてオーステナイト相が分散する鉄鋼材料の製造は困難であった。そのため、マルテンサイト相を多く有する鉄鋼材料表面にオーステナイト相を分散させるためには、2種類の鉄鋼材料を接合する方法が行われていた。
実用化イメージ
この材料表面は、常磁性のオーステナイト相が分散し、高い硬さを持つ。そのため、材料表面の磁性が問題となる金型や刃物の素材として利用可能である。


圧延加工を施したSUS304へのショットピーニングに伴う組織変化。加工によって、常磁性のオーステナイト相が増加している。


ショットピーニングを施したSUS304圧延材における加工表面近傍の微細組織。カラーマップは板面結晶方位を示す。加工によって組織が微細化している。

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
本研究室では、本技術の効果をFe-Ni合金、SUS301およびSUS304にて確認をしております。鉄鋼材料に限らず、他の金属材料の表面加工技術に関する共同研究も歓迎いたします。

文献・特許
・特願2010-080243 「加工による相変態を利用した傾斜機能材料の製造方法」
・H. Sato, T. Nishiura, E. Miura-Fujiwara and Y. Watanabe:Mater. Sci. Forum, Vols. 706-709, (2011) pp. 1996-2001.
・佐藤尚,三浦永理,渡辺義見: まてりあ, Vol. 50, (2011) pp. 331-338.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
・ショットピーニング装置
・硬さ試験機
・光学顕微鏡
・走査型電子顕微鏡
・引張圧縮試験機
・ヤング率測定装置
共同研究を希望するテーマ
・金属材料の表面改質に関する研究
・鉄鋼材料の組織制御に関する研究
・金属材料の組織解析に関する研究
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:佐藤尚渡辺義見
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