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光で材料分析!散乱光がマテリアルの未来を変える~

ラマン散乱マッピング分析

技術分野分類:5902 無機材料・物性
産業分類:窯業・土石製品製造業,鉄鋼業
技術キーワード:結晶構造・組織制御,機能性セラミックス材料,機能性ガラス材料,結晶化学,光
工学
材料工学
早川知克(未来材料創成工学専攻)
技術概要
ラマン散乱分光法とマッピング技術を用いて、複雑な無機結晶構造解析を可能としました。本手法は非晶質物質にも適用可能です。1スペクトル当りの測定時間は数秒であり、非破壊・短時間分析です。
特徴
グリーンレーザーを励起源として用いているため、光学顕微鏡、集光レンズ、ピエゾステージを用いて微細な部位の構造をマッピングしながら分析(空間分解能~2μm)が可能となっています。そして、多結晶セラミックスの結晶方位分析、半導体材料の電子輸送特性解析、太陽電池材料の構造解析などの成果を上げています。
背景・従来技術
ラマン散乱現象は分子および結晶のフォノンエネルギーを高精度に検出する手法であり、レーザー光源の普及により材料分析に広く応用されています。我々の研究室では、多結晶セラミックス材料の配向分布を高精度に検出することに成功し、透光性セラミックスの特性評価に貢献することができました。
実用化イメージ
ミクロンオーダーの材料組織をマッピング検査することができます。見た目は同じでも、構造・組織の異なる原料を調べる方法として有用です。装置や原理の詳細は解説いたします。材料開発の一助として活用してください。


焼結アルミナセラミックスのラマンマッピング像


散乱光強度は、レーザーの入射方向、偏光方向に対する結晶のc軸の向きに応じて変化する

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
名古屋工業大学大学院 早川知克研究室では、非晶質・ナノ結晶をキーワードに光機能性材料の研究を行っております。白色LED用蛍光体、フォトン変換ナノ材料の開発を通じて低炭素・省エネ社会の実現を目指します。

文献・特許
・林昌平・早川知克他、「透光性アルミナ焼結体の結晶配向性と光透過特性」 日本セラミックス協会第24回秋季シンポジウム講演予稿集 1C05 (2011).
・早川知克「透光性多結晶アルミナの光透過特性と粒界屈折率差」セラミックスデータブック2012, Vol.40, No.94, pp.81-84 (2012).
・T.Hayakawa, S. Hayashi, .S. Miyazawa, T. Ohashi, K. Watanabe, Opt. Mater. Exp. Vol.2, No.7, pp.914-919 (2012).
・T.Hayakawa, S. Hayashi, .S. Miyazawa, T. Ohashi, K. Watanabe, “Light Sources 2012”, LL05, pp.13-132 (2012).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
顕微ラマン分光装置
蛍光分析装置
紫外可視近赤外分光計
超短パルスレーザー
波長可変可視色素レーザー
表面界面分光測定装置
共同研究を希望するテーマ
光機能性材料の開発
透明導電膜の液相合成
プラズモン増感型太陽電池の開発
高効率ナノ結晶材料の開発
フォトン変換材料の開発
非線形光学ガラスの開発
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:早川知克
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