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エネルギー問題の切り札、「イオンを流す」材料~

量子力学計算で材料を調べて、考え、作り出す

技術分野分類:5902 無機材料・物性
産業分類:電子部品・デバイス・電子回路製造業,窯業・土石製品製造業
技術キーワード:蓄電池,燃料電池,第一原理計算,セラミックス,電気化学
工学
材料工学
中山将伸(物質工学専攻)
技術概要
蓄電池、燃料電池技術の成否は、高速イオンを輸送する材料(イオン導電体)が発見できるかにかかっています。特にセラミックス中で自在にイオンを輸送できれば、安全かつ長寿命の全固体デバイスを構築することができ、社会エネルギーインフラを刷新できると期待されています。名工大に2009年に設立した私たちの研究グループでは、実験と計算を取り混ぜた方法論で、優れたセラミックスのイオン導電体を探索しようと試みています。
特徴
これまで多くの研究者が直感や幸運によって材料を発見した方法を見直し、「システマティック」に材料を探索しようと試みています。特に、高精度材料シミュレーションによって、材料のイオン輸送能のメカニズムをあぶりだしたり(材料を調べる)、その計算結果を蓄積したビッグデータ―と統計的推測法を組み合わせた機械学習(材料を考える)によって、効率的に優れた材料を探索する(材料を作り出す)ような技術を開発しています。
背景・従来技術
実用化イメージ
エジソンは電灯事業化のためにフィラメントとなる竹を2000種以上チェックして「京都の竹」に行き着きました。私たちは、計算機を活用して効率的に「イオンを流す」セラミックスを発見しようと挑戦しています。


第一原理計算によって得られた材料の電子構造


計算によるセラミックス中でのイオンの輸送の解析

企業への提案

研究者から企業へのメッセージ
名古屋工業大学では、優秀な大学院生とともに、実務担当者同士が膝を交えて議論をする実践的研究を重視しています。技術の詳細に興味がありましたら、産学官連携センターへまずはお尋ねください。

文献・特許
・本研究室の情報: http://nakayama.web.nitech.ac.jp/
・Liイオン電池正極材料に関する研究, 電気化学会誌,76, 752 (2008)
・SOFC用酸化物イオン導電体に関する研究, PCCP, 11, 3241 (2009); PCCP, 14, 10008 (2012)
・統計的推測による材料機能の予測に関する研究、Chem. Mater. 24, 1357 (2012)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
クラスター型計算機ドライボックス
蓄電池充放電試験機
共同研究を希望するテーマ
蓄電池のセラミックス材料研究
燃料電池のセラミックス材料研究
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:中山将伸
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