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~生体一酸化窒素の正確な検出で血管病の簡単な診断ができる~

生体内一酸化窒素センシング材料の開発

研究分野分類:5404 デバイス関連化学
産業分類:医療業,保健衛生
キーワード:分子センサー,電気化学,化学・バイオセンサー,分子素子材料
化学
材料化学
小澤智宏(未来材料創成工学専攻・共同ナノメディシン科学専攻)
研究概要
 一酸化窒素の電気化学的検出では高い選択性を付与する必要があります。本技術では高い選択性を示す分子の開発に成功しました。これを電極表面に修飾構築される電極を用いれば、電気化学的なシグナルをそのまま一酸化窒素検出に利用できます。
特徴
 本技術では、電気化学検出方法の最大の欠点である選択性を克服するため、電極修飾分子として一酸化窒素に対する高い選択性を示す分子を修飾することにしました。設計した分子は金属錯体であり、その電子状態を配位子により制御し、高い選択性を実現しました。
背景・従来技術 一酸化窒素分子検出手法には代表的に以下のものが挙げられます。一酸化窒素がラジカル分子であることを利用した電子スピン共鳴を用いた分析法、蛍光材料を利用した化学発光(消光)による検出法、酸化還元反応を利用した電極法です。電気化学的検出法は、高感度のみならず加工性にも優れており、その場測定も可能であることから特に多くの注目が集まっているが、一酸化窒素の酸化類似体による阻害効果も報告されています。 実用化イメージ
 修飾電極をカテーテルなどの機器に取り込み、血管内部の一酸化窒素濃度を検出します。あるいは呼気や皮膚ガスなどから得られる一酸化窒素の検出に直接用いることもできます。


本技術のNOセンシング材料は、高選択的NO反応性を示す。NOの検出には、NOとセンシング材料との相互作用前後における酸化還元挙動(抵抗値等)の変化を利用。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 本技術では一酸化窒素高選択的検出可能な分子を紹介させていただきました。その一方で、このデバイス化関連技術はほとんど持ち合わせていないのが現状で、ご興味がありまたらご連絡いただければ幸いです。

文献・特許
・特願2008-186724 「化学物質センシング素子、化学物質センシング装置、および化学物質センシング素子の製造方法」
・特願2005-309127 「NO吸着材およびその利用」
・Dalton Trans., 2013, 42, 4470-4478,”Highly Selective Binding of Nitric Oxide by CoIII and FeIII Complexes”

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
単結晶X線構造解析装置
電子スピン共鳴装置
細孔径測定装置
質量分析装置(ESI)
電気化学測定装置
共同研究を希望するテーマ
生体一酸化窒素センサーの構築
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:小澤智宏
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