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~Shall We Twist?~

環状有機化合物を基盤とする光化学

研究分野分類:5401 有機・ハイブリッド材料
産業分類:印刷・同関連業,化学工業
キーワード:有機半導体材料,有機光学材料,分子素子材料
化学
材料化学
高木幸治(物質工学専攻)
研究概要
 自然界には、蛋白質や核酸に代表される「キラル」と呼ばれる構造がありふれており、生命の源にもなっています。私たちの研究室では、蛋白質に含まれるアミド結合に類似した”第三級芳香族アミド”が繋がって輪になった化合物に右巻きと左巻きが存在することに着眼し、これをモチーフに新しいキラルな化合物を合成しました。
特徴
 合成した化合物は、キラル炭素中心やキラルゲストを導入しなくても、パイ電子系に三重ラセン構造を取らせることができるチューブ状化合物です。温度や溶媒によってラセン構造が可逆に変化することも分かっています。
背景・従来技術
 パイ電子系と呼ばれる有機化合物は、三次元空間における配列が化合物の機能や性能を左右するため、これを精密にデザインすることが重要です。配列のための足場をどのように設計するかが成功の鍵となります。
実用化イメージ
 現段階では、ラセン構造は動的で不安定なものですが、分子設計をさらに進めて安定なラセン構造を取るキラル化合物を合成できれば、三次元ディスプレイなどに応用可能な円偏向発光が実現できると期待されます。


(A)鏡像関係にある環状有機化合物
(B)2つの環状有機化合物でキャップしたチューブ状化合物におけるラセン形成
(C)環状有機化合物の組み合わせによってはラセンを形成しない


溶媒に依存したダイナミックなラセン構造の証明

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企業等への提案

研究者からのメッセージ
 低分子から高分子まで合成、反応、機能に関する専門的知識を有していますので、「このような化合物が合成したい」、「この化合物の反応性が知りたい」、「材料の性能や機能を改善したい」などの疑問にお答えします。

文献・特許
・Helicity Induction in Three π-Conjugated Chromophores by Planar Chirality of Calixamide Chem. –Eur. J.に掲載予定

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
ゲル浸透クロマトグラフ装置
蛍光発光スペクトル装置
シングルモードマイクロ波加熱装置
紫外可視吸収スペクトル装置
ガスクロマトグラフ装置
共同研究を希望するテーマ
有機高分子デバイス材料
芳香族系高分子
縮合系高分子
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:高木幸治
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