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~安価な金属で太陽光発電用色素を開発~

低コスト金属錯体色素を用いた色素増感太陽電池

研究分野分類:5307 エネルギー関連化学
産業分類:電子部品・デバイス・電子回路製造業,電気業
キーワード:エネルギー変換,分子素子材料,電池,電気化学材料
化学
複合化学
猪股智彦(物質工学専攻)
研究概要
 色素増感太陽電池は、光合成を模倣した、太陽光を電気エネルギーへと変換する次世代型太陽電池の一つです。当研究室ではこれまでに蓄積してきた金属錯体の知識を活用し、金属錯体をベースとした多数の色素材料を開発してきました。本技術ではその中でも安価な卑金属である銅をベースとした金属錯体色素について、銅色素としては高い変換効率を有する材料の開発に成功しました。
特徴
 卑金属である安価な銅錯体をベースとした色素材料を用いた色素増感太陽電池となります。銅色素としては高い変換効率(3%超)を示します。銅色素の構造を更にカスタマイズすることで、変換効率を更に数%上乗せできる余地があります。比較的短波長側に色素の吸収が局在しているため、タンデム型色素増感太陽電池(複数色素を組み合わせた太陽電池)への利用が期待されます。
背景・従来技術
 従来の色素増感太陽電池では、主に貴金属であるルテニウムをベースとした錯体色素を用いています。ルテニウム色素は変換効率も高く、実用化に最も近い色素材料です。しかしルテニウムの原料コストや現産地を考えた場合、元素戦略的には将来的に他の安価な金属に置き換えていく必要があります。
実用化イメージ
 ※添付画像を参照してください

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 現在は主に卑金属である銅をベースとした色素材料の開発に取り組んでいます。銅色素による色素増感太陽電池はまだ変換効率3%台の技術ですが、特にコスト面から注目されている色素です。

文献・特許
・特願2013-057491 「光増感剤およびこれを用いた光起電力素子」
・特願2012-247970 「光増感剤およびこれを用いた光起電力素子」
・特願2012-131506 「光増感剤およびこれを用いた光起電力素子」

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
疑似太陽光発生装置
IPCE測定装置
各種色素解析用測定装置
電位-電圧曲線測定装置
各種色素合成用装置
電子顕微鏡
共同研究を希望するテーマ
色素増感太陽電池開発
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研究者名:猪股智彦
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