糖を活用した新規な抗菌物質

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登録日:2013/11/02 / 更新日:2020/02/05

～糖で細菌を撃退！～

研究分野分類：5305 生体関連化学
産業分類：繊維工業，化学工業

キーワード：医薬品化学，糖質関連化学，有機化学

化学

複合化学

山村初雄（物質工学専攻）

研究概要　当研究室では、新規抗菌物質として１ナノメートルの直径を持つ糖質の上に抗菌官能基を人工的に備え付け、天然ペプチドに匹敵する抗菌性を発現させることに成功しました。この技術は医療用抗菌剤のみならず、抗菌加工製品の開発への応用も可能です。		特徴　本技術の抗菌物質は、天然ペプチドに比べて驚くほど単純な構造であるにもかかわらず、天然ペプチドと同様に細菌膜を攪乱・破壊するため、薬剤耐性の発現が起こり難いです。しかも安価な材料を用いた簡便な製造プロセスで、高効率に本抗菌物質を製造することが可能です。
背景・従来技術　従来型抗菌剤は細菌内部の生命維持機構に作用して抗菌性を示します。これに対して細菌は耐性を獲得します。一方、天然ペプチドは、細菌の外側から細菌の重要成分である膜脂質に作用するため、薬剤耐性が起こり難くなります。ところが天然ペプチドは複雑な構造を有し、その製造や改良が必ずしも容易でないという欠点があります。		実用化イメージ　本技術は、医薬品にとどまらず、工業・衛生用途の抗菌製品まで展開可能です。例えば、医療材料などの材料・製品表面の抗菌加工（剤）や、品質劣化を防ぐ防腐剤、雑菌に対する消毒薬としても幅広く応用できます。