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~短時間で微生物を高感度に検出~

革新的高感度・高選択微生物センサー

研究分野分類:5305 生体関連化学
産業分類:食料品製造業,保健衛生
キーワード:化学・バイオセンサー,生物無機化学,有機・無機ハイブリッド材料,生体機能応用デバイス
化学
複合化学
猪股智彦(物質工学専攻)
研究概要
 微生物が外界から鉄などの必須金属を摂取するためにキレート剤(シデロフォア)を産出します。産出されたキレート剤は鉄分と結合して、微生物細胞表面のたんぱく質から細胞内に取り込まれます。当研究室では、この原理を応用して、微生物のエサとなる鉄分と結合させたキレート分子をセンサー表面に修飾することで、微生物をセンサー上へ特異的に結合させることに成功しました。
特徴
 本技術を用いることで、培養操作によらず短時間(数分~1時間弱)で微生物の有無を判別することが可能となります。また特定の微生物だけを検出するのではなく、類似の微生物を一つの素子でまとめて検出することが可能です。また測定の原理上、微生物側の突然変異による影響を受けにくいのも特徴の一つです。
背景・従来技術
 従来の微生物検出システムでは、高感度の微生物検出には微生物の培養操作が必要です。この作業には数時間から数日を要します。また微生物細胞表面の特定の糖鎖などを認識する技術では、突然変異により糖鎖の構造が変化してしまうと、微生物を認識することができなくなってしまうなどの問題点があります。
実用化イメージ
 ※添付画像を参照してください

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 高感度かつ高選択的な微生物検出システムとなります。類似の微生物を一つの素子で検出可能であり、突然変異などへも対応可能な技術です。食品衛生や医療分野での共同開発を考えています。

文献・特許
・特許第4686703号 「細胞固定化材」
・特願2013-057476 「人工シデロフォア錯体が修飾された微粒子、および当該微粒子が被着したセンサー基板」
・特願2012-286407 「人工分子により修飾した走査型プローブ顕微鏡用探針、およびこれに用いる人工錯体分子」

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
微生物検出装置
安全キャビネット
各種材料解析用測定装置
微生物培養装置
各種材料合成用装置
各種(光学・電子・原子間力)顕微鏡
共同研究を希望するテーマ
微生物センサー開発
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研究者名:猪股智彦
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