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~光学活性β-アミノニトリル類の効率合成が可能に~

イミダゾリン基を有する新規不斉触媒

研究分野分類:5302 合成化学
産業分類:化学工業
キーワード:選択的合成,錯体・有機金属触媒,環境調和型合成,触媒設計・反応,有機分子触媒
化学
複合化学
中村修一(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 新しい不斉合成触媒として光学活性ビスイミダゾリンー遷移金属触媒を設計・開発しました。この触媒を用いていくつかの不斉合成反応を検討した所、高収率・高エナンチオ選択性を与えることが明らかとなりました。なお、本触媒は東京化成工業株式会社において市販化されています。
特徴
 開発した不斉触媒を用いることで、これまでに効率的合成が難しいとされていたニトリル化合物の活性化が可能となり、β-アミノニトリル類の合成が可能となりました。
背景・従来技術
近年、医農薬品には不斉炭素が含まれる場合が多いため、その立体化学を効率よく制御する不斉触媒の開発が望まれている。
実用化イメージ
 本技術における新規の不斉合成触媒の試薬としての実用化のみならず、それを用いた不斉合成法の医薬品候補化合物合成への利用、機能性材料合成への利用、有機合成反応への利用が期待できます。そのため、医薬品・ファインケミカル・農薬・化粧品・化成品メーカーにおいて実用化が期待されます。

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光学活性なビスイミダゾリン触媒を用い、ニトリル化合物の活性化を行い、イミンと反応させることで、光学活性なβアミノニトリル類の合成に成功しました。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 新しい不斉合成触媒や不斉合成技術の開発を行なっています。ご興味があれば、ご連絡ください。

文献・特許
・特願2013-007060 「光学活性四置換不斉炭素を有する3-アリル-3-アミノ-2-オキシインドール誘導体の不斉触媒的製造方法」
・特願2012-13694 「光学活性α-無置換-β-アミノニトリル誘導体の不斉触媒的製造方法」
・Chem. Eur. J. 2013, 19(23), 7304-7309.
・Chem. Eur. J. 2013, 19(13), 4128-4134.
・Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 50(41), 10337-10341.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置 共同研究を希望するテーマ
医薬品合成
触媒開発
農薬合成
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研究者名:中村修一
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