研究紹介詳細表示

~CF基を有する化合物の効率的な合成が可能に~

直接的CF化反応を用いた化合物の合成

分野分類:5302 合成化学
産業分類:化学工業,学術・開発研究機関
キーワード:選択的合成,ファインケミカルズ,有機フッ素化学,CF3化反応,生理活性物質合成
化学
複合化学
柴田哲男(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 当研究室では、従来、困難な課題と言われていたトリフルオロメチル化反応を実現する、独自のトリフルオロメチル化試薬を開発しました。そして様々な基質に対し、以前からの試薬や独自の試薬をうまく使い分けて反応を行うことにより、目的のトリフルオロメチル基が導入された化合物を高収率で得られることに成功しました。
特徴
 トリフルオロメチル基は強力な電子求引性、脂溶性を有します。そのユニークな性質から生理活性物質(医農薬分野)や機能性材料分野への応用が期待されます。また直接的なトリフルオロメチル化反応は、複雑な化合物への導入や目的物の合成ルートの最終段階で使うことも可能であり、工業スケールでの合成を考えた場合に非常に有用な手段です。
背景・従来技術
 トリフルオロメチル基を含む医薬品や機能性材料は非常に有用です。しかしながら、その導入は大変困難であり、従来、化合物の合成は、あらかじめトリフルオロメチル基を有した化合物を用いて合成するビルディングブロック法が中心でした。
実用化イメージ
 直接的トリフルオロメチル化反応の手法を用いることにより、生理活性物質、医農薬品や電子材料などの機能性材料の製造中間体を効率的に合成することが可能になると期待されます。

  

企業等への提案
研究者からのメッセージ
 柴田研究室では有機フッ素化合物の合成の研究を行っています。医農薬品や機能性材料(フタロシアニン)、サリドマイドなど幅広く研究をしています。フッ素のことやフッ素化合物に関することは何でもご相談ください。

文献・特許
・特願2012-174672 「5-トリフルオロメチル-4-トリフルオロメチルスルホニル-2-イソキサゾリン及びその製造法」
・Kawai, H.; Yuan, Z.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Org. Biomol. Chem., 2013, 11, 1446.
・Matsnev, A.; Noritake, S.; Nomura, Y.; Tokunaga, E.; Nakamura, S.; Shibata, N. Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 572.
・Noritake, S.; Shibata, N.; Nakamura, S.; Toru, T.; Shiro, M. Eur. J. Org. Chem. 2008, 3465.
・Yang, Y.-D.; Iwamoto, K.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Chem. Commun. 2013, 49, 5510.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
NMR
HPLC
LCMS
GC
IR
共同研究を希望するテーマ
医農薬中間体の合成法の開発
合成プロセスの開発
新規医薬品候補化合物の合成
機能性材料の開発
環境にやさしい合成法の開発
不斉合成法の開発
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:柴田哲男
PDF表示と印刷