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~電子吸引性が高いトリフリル基を有する芳香族化合物の合成はお任せ~

新しい医薬品候補化合物:トリフロンの合成

研究分野分類:5202 有機化学
産業分類:化学工業,学術・開発研究機関
キーワード:有機合成化学,医薬分子設計,ヘテロ環化学,有機化学,有機フッ素化学
化学
基礎化学
柴田哲男(未来材料創成工学専攻)
研究概要
 thia-Fries転位や双極子環化付加反応を用いて、様々なヘテロアリールトリフロンを合成しました。
特徴
 thia-Fries転位を用いるトリフロンの合成では、ヘテロアレーンに対する[1,3]および[1,5]転位を用いて、ヘテロアリールトリフロンを合成しました。また、双極子環化付加反応を用いてピラゾールトリフロンを、タンデム反応を用いてイソキサゾールトリフロンを合成しました。現在は、今までほとんど報告例のなかったオレフィン部位への立体選択的なトリフリル基の転位によるビニルトリフロンの合成を行っています。
背景・従来技術
 トリフルオロメチルスルホニル(トリフリル)基は非常に強力な電子求引性基であり、化合物内に導入することによって、親化合物の生理活性などの物性を大きく変化させることが期待されます。トリフリル基を有する芳香族化合物、すなわち芳香族トリフロンは、医薬品や農薬合成において頻繁に用いられている母骨格の一つとして挙げられ、またキラル触媒や機能性材料の分野においても利用されています。
実用化イメージ
 生理活性を示す化合物にトリフリル基を導入し、アッセイにより生理活性の変化を図り、有望な化合物が発見された場合、その構造最適化を図ります。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 柴田研究室では有機フッ素化合物の合成の研究を行っています。医農薬品や機能性材料(フタロシアニン)、サリドマイドなど幅広く研究をしています。フッ素のことやフッ素化合物に関することは何でもご相談ください。

文献・特許
・Xu, X.-H.; Liu, G.-K.; Azuma, A.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Org. Lett. 2011, 13, 4854.
・Kawai, H.; Yuan, Z.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Org. Lett. 2012, 14, 5330.
・Xu, X.-H.; Wang, X.; Liu, G.-K.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Org. Lett. 2012, 14, 2544.
・Kawai, H.; Sugita, Y.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Eur. J. Org. Chem. 2012, 1295.
・Xu, X.-H.; Taniguchi, M.; Azuma, A.; Liu, G.-K.; Tokunaga, E.; Shibata, N. Org. Lett. 2013, 15, 686.

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
NMRHPLC
LCMS
GC
IR
共同研究を希望するテーマ
医農薬中間体の合成法の開発
合成プロセスの開発
新規医薬品候補化合物の合成
機能性材料の開発
環境にやさしい合成法の開発
不斉合成法の開発
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研究者名:柴田哲男
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