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~内包ナノカーボン材料~

単層カーボンナノチューブへのヨウ素ドーピング法

研究分野分類:4303 ナノ材料化学
産業分類:電子部品・デバイス・電子回路製造業
キーワード:ナノカーボン材料,フラーレン・ナノチューブ・グラフェン,透明電極,電池電極
総合理工
ナノ・マイクロ科学
川崎晋司(物質工学専攻)
研究概要
 ヨウ素を単層カーボンナノチューブ(SWCNT)に効率良く吸・脱着させる研究を行っています。この研究では様々な形のヨウ素(気体ヨウ素分子、液体ヨウ素分子、ヨウ化物イオン)をポリヨウ化物イオンの形としてSWCNT内部に自由自在に吸・脱着できる技術を開発しています。
特徴
 電気化学手法によるヨウ素ドーピング方法を用いると短時間で多量のヨウ素をSWCNT中に内包させることが可能になります。この方法で作ったヨウ素内包SWCNTは導電性が向上される以外にも水への溶解度が高くなり工業的に利用しやすくなります。また、従来の材料に比べて多量のヨウ素を内包させることが可能であるため電池電極として性能の改善も期待できます。
背景・従来技術
 ナノカーボン材料の電気デバイスへの応用における性能改善にヨウ素ドーピングが有効であると期待されています。従来のドーピング方法には高真空と加熱炉を必要としているため大きいエネルギーと長い時間が必要になっています。
実用化イメージ
 導電性が改善されたSWCNTは現在用いられている酸化物系透明導電膜の代替材料になると期待できます。また、ヨウ素を正極材料にした電池は安全で高い出力が出せると期待できます。

kawasakipic

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 内包型ナノカーボンは様々な応用分野へ展開が期待できます。ここで示したヨウ素内包型ナノカーボンの応用以外にも他の分野へのナノカーボン応用にご興味のある方はお気軽にお声かけください。

文献・特許
・特願 2012-190409 「導電材料およびその製造方法」
・S. Hayong et al., Phys. Chem. Chem. Phys., 2013, 15, 5767-5770

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
導電率測定装置
電気化学測定装置
CVD合成装置
ラマン散乱分光装置
ナノカーボン合成装置
共同研究を希望するテーマ
透明導電膜
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:川崎晋司
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