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~人間固有の演奏の揺らぎにも柔軟に対応します~

どのような演奏にも合わせてくれる自動演奏システム

研究分野分類:1202 知覚情報処理
産業分類:娯楽業,その他の教育、学習支援業
キーワード:音響情報処理,音楽情報処理,演奏支援,ヒューマンインタフェース
情報学
人間情報学
酒向慎司(情報工学専攻)
研究概要
 人間の演奏する楽器の音情報からその演奏位置を特定し、次の演奏箇所を予測するリアルタイム楽譜追跡技術です。この技術をもとに、単独の楽器演奏に合わせてオーケストラを自動再生する自動演奏システムを開発しました。
特徴
 この技術では、特別な楽器は必要なく、どのような楽器の演奏でも、単旋律や複数の声部からなる多声音楽にも対応します。また、演奏の揺れ(演奏ミス、テンポの変化)を許容し、少し戻って演奏(弾き直し)するなど、人間の演奏にありがちな想定外の演奏にも柔軟に追従できることが特徴です。
背景・従来技術
 電子ピアノには、主旋律に合わせて伴奏を再生する機能が備わっているものがありますが、現実的にはピアノの練習に限られてしまいます。様々な楽器に対応するためには、楽器の音情報を使って演奏の位置を追跡する技術が必要とされてきました。
実用化イメージ
例えば、バンドの全員が集まらなくても一人で練習ができる楽器の練習支援システムや自分の声に伴奏が合わせてくれる次世代カラオケなど、新たな音楽体験への応用が考えられます。その他、使う人の技量・身体能力を問わず、楽器の演奏をサポートする技術は、演奏する楽しさを併せ持ったリハビリ機器などにも役立ちます。
 

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 多かれ少なかれ音楽は人間の生活に欠かせない存在です。音楽を理解する能力は人間本来の傑出した能力の一つですが、近年の情報処理技術は人間と音楽の関わりに新しい価値を生み出しつつあります。

文献・特許
・Ryuichi Yamamoto, Shinji Sako, Tadashi Kitamura, “Robust On-line Algorithm For Real-time Audio-to-score Alignment Based on A Delayed Decision and Anticipation Framework”, Proc. of International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP), pp.191-195, 2013.
・山本 龍一,酒向 慎司,北村 正,”Ryry: 多声楽器に対応可能な音響入力自動伴奏システム”,情報処理学会シンポジウム インタラクション,3EXB-13, 2013

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
共同研究を希望するテーマ
演奏支援システムの開発
演奏支援システムのリハビリ応用
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研究者名:酒向慎司
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