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~視線は人を善良な嘘つきにするか?~

視線が行動におよぼす影響

研究分野分類:1201 認知科学
産業分類:各種商品小売業
キーワード:視線,利他行動,ホルスの目 ,利他性
情報学
人間情報学
小田亮(情報工学専攻)
研究概要
 目の絵による刺激は、利他行動において「他者からの評価」などのポジティブな期待を促進させるのか、それとも「他者に監視される」ことによるネガティブな恐れを促進させるのかを判別するための研究をしています。具体的には、ホルスの目を用いて目条件と対照条件を比較し、それらの頻度分布を比較します。
特徴
 実験では、ダイスの目の数に従った掛け金を赤十字社に寄付するという設定のもと、匿名性を保つため実験用ブースをパーティションで隔離し被験者に単独で行ってもらうなど、詳細かつ丁寧な実験を心掛けています。
背景・従来技術
 目の絵や写真にはヒトの利他行動を促進する効果があることが、これまで研究されてきました。しかし、それが利他性によるものか、道徳性によるものかは明らかではありません。
実用化イメージ
 本実験により、「視線が人を善良な嘘つきにする傾向がある」ことが分かりました。犯罪防止の一助になることが期待されます。具体例としては、万引きが挙げられます。対策として、防犯カメラを設置し監視するというような方法も実施されていますが、コストや人手がかさむという課題があります。本研究により、費用と手間のかからない方策を考案することが可能となります。


実験に用いた「ホルスの目」

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 本研究が、道徳的教育の場や犯罪防止の一助になれば幸いです。詳細についてご関心のある方は、遠慮なくご連絡ください。

文献・特許
・小田亮 「利他学」 新潮選書 (2011)
・小田亮 「ヒトは環境を壊す動物である」 ちくま新書 (2004)
・小田亮 「約束するサル 進化からみた人の心」 柏書房 (2002)
・小田亮 「サルのことば 比較行動学からみた言語の進化」 京都大学学術出版会 (1999)

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

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研究者名:小田亮
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