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~熱さ/冷たさ、暑さ/涼しさ、素早い温度提示~

水を利用した高速全身温度提示システム

研究分野分類:1203 ヒューマンインターフェース・インタラクション
産業分類:情報通信機械器具製造業,その他の教育、学習支援業
キーワード:バーチャルリアリティ,ヒューマンインタフェース,感性インタフェース,温度ディスプレイ,温度感覚
情報学
人間情報学
坂口正道(機能工学専攻)
研究概要
 本技術は、触覚の中でも温度を被験者に提示して感じさせる技術です。温かいお湯や冷たい水を準備し、被験者に触れる温度提示部に流す水の流れを制御することで、接触感覚を伴わない温度情報のみの提示、高速な温度変化の提示、全身的な温冷感の提示、温度に関する錯覚の提示を可能とします。
特徴
 本技術では、比熱が大きく流動性に優れた水を利用し、お湯と水の流れを制御することで、30度以上の温度差を1秒以下で変化させることが可能な温度提示システムを開発しました。また、頸部に温度を提示することで、全身的温冷感の提示を実現しました。
背景・従来技術
 温度は、生命維持や危険回避にも利用される身近で重要な情報であり、冷暖房機器など温度を一定に保つ技術は開発されていますが、高速に温度を変化させることが困難でした。ペルチェ素子を用いても、応答速度や提示面積などが課題となっていました。
実用化イメージ
 本技術を用いることで、温度知覚の基礎研究は元より,温度変化を警告等の情報伝達手段に利用したり、視聴覚と同期してて温度を提示することで、VRシステムのリアリティや臨場感を向上させたりできます。劇場の座席やゲームへの応用、冷暖房システムへの応用が期待できます。

 

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 温度感覚は、これまであまり情報伝達手段として用いられてきませんでしたが、重要かつ直感的な感覚であり、本技術を用いることで様々な応用が検討可能となりました。ぜひ共同研究を実施して実用化を目指しましょう。
文献・特許
・坂口,穂永他:水の流量を利用した温度提示システムの開発に関する基礎研究,VRSJ2014, pp.448-449 (2014).
・M. Sakaguchi et al.: Development of High-Speed Thermal Display using Water Flow, Proc. HCII2014, LNCS8521, pp.233-240 (2014).
・今井, 坂口:頭頸部への温度提示による視覚情報の印象変化に関する研究,VRSJ2013, pp.303-304 (2013).
・坂口,尾畑,清水:温水と冷水を用いた高速温度提示システムの構築,Robomec2012,1A1-A01(2012).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
手指への温度提示システム
頭頸部への温度提示システム
サーマルグリル錯覚システム
共同研究を希望するテーマ
温度提示システムの開発と実用化
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:坂口正道