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~色素の新たな機能性を求めて~

超微量成分分析のための濃縮・分離技術の開発

研究分野分類:5304 分析化学
産業分類:水道業 ,食料品製造業
キーワード:分析試薬,前処理,溶媒・固相抽出,クロマトグラフィー,スペクトル分析
化学
複合化学
安井孝志(物質工学専攻)
研究概要
 かつての染料・顔料としてだけでなく、固有の特徴的な物質変化を伴う特性を有する機能性色素の開発がすすめられています。当研究室では、これまでに、金属イオンの分離・定量等に有用な色素を数多く開発してきました。現在では、さらに、濃縮・分離用の固相に新たなる機能を与えうる色素の開発に取り組んでいます。
特徴
 従来は、陰イオンを濃縮・分離する時、正電荷を有する固相がよく利用されますが、捕集した陰イオンを脱着するための溶離液の調製に多くの検討を要します。現在構築を試みている固相は、固相自身を酸化還元により電荷制御 (正電荷 ⇔ 無電荷) できるように、色素のコバルト錯体を修飾しており、より短時間で簡便な脱着操作が期待されます。
背景・従来技術
 多様な現代社会においては、極めて微量な成分が環境あるいは商品開発等で問題になることがあります。これらの超微量成分を正確に分析するためには、多くの場合、試料の前処理段階で濃縮・分離が必要です。目的成分の性質(疎水性、電荷等)あるいは処理量に応じて、それぞれに最適な新規濃縮・分離技術の開発が求められています。
実用化イメージ
 微量分析の試料前処理用の新規固相抽出剤としての実用化が期待できます。

企業等への提案

研究者からのメッセージ
 色素の機能発現の際、その多くは変色を伴うため、視覚的にも非常に魅力的です。様々な方にご興味を持っていただければ幸いです。
文献・特許
・コバルト錯体担持固相の酸化還元による陰イオンの吸脱着制御 安井孝志,森部俊亮,杉江俊輔,小玉 誠,高田主岳,湯地昭夫 分析化学,61, 257-260 (2012).

試作品状況 無し 掲示可 提供可

 

利用可能な設備・装置
高速液体クロマトグラフ
紫外・可視分光光度計
共同研究を希望するテーマ
新規固相抽出剤の開発
研究者データベースとのリンク(名前をクリックしてください)
研究者名:安井孝志